ホロスコープの新世界 #10
少々専門的ですが正しいホロスコープのお話
ホロスコープ作成ソフトは正しいのでしょうか。
基礎知識がなくても誰でも使えるのが利点です。
ですが、そこに大きな落とし穴が潜んでいるとしたら…。
本来の正しいホロスコープ
少し専門的なお話になります。
ネットでよく目にするホロスコープのお話です。
信じてもらえないかもしれませんが、あれって間違いです。
妥協の産物です。
本来の正しいホロスコープではありません。
全部が全部とは申しませんが、「ホロスコープ作成ソフト」で出力した一般的なホロスコープのほとんど全部がそうです。
いくらハウスシステムをいじっても同じです。
なぜなら、MC(Medium Coeli:メディウム・コエリ=南中点)とIC(Immn Coeli:イムン・コエリ=北中点) の軸が、右に行ったり左に寄ったりしていて垂直になっていないからです。
分かりますか?
MC=南中点というのは、本来ミッドヘブン(天頂)のことです。
日本では、黄道が天頂を通ることはありませんので、天頂の真南の黄道上をMC=南中点として、ホロスコープを作成します。
ホロスコープに写したとき、東のASC(Ascendant:アセンダント=上昇点)と西のDES(Desendant:ディセンダント=下降点)は水平で、これはいいのですが、南(天頂側)のMC=南中点と、北(天底側)のIC=北中点の軸は、垂直で90度で交わっているのが正しいホロスコープです。
ですが、「ホロスコープ作成ソフト」によって、デフォルトの設定のまま出力すると、全部のソフトでMC=南中点とIC=北中点の軸が、右に傾いたり左に傾いたりして出力されます。
それは実際とは異なる間違ったホロスコープになります。
ウソではありません。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない…」
そうとはかぎらず、全員事故に遭うことがないとはいえません。
◆One-Point 今やホロスコープの専門知識がなくても、出生データさえ入力すればどなたでもホロスコープを手にすることができます。それはいいことなのですが、便利になる反面、失われるものがあるのは常識で、もし、それが最も大事なものだとしたら…。
※↓ 下図は本来のホロスコープの一例。
「ハウスホイール」での出力
便利なので、誰もが「ホロスコープ作成ソフト」を用います。
用いますが、デフォルトで出力されたホロスコープを、ほとんど全員が“正しいホロスコープ”だとご認識されておられたら怖いのです。
ホロスコープは「そういうものです」というご認識も同様です。
別の表現をいたします。
なぜ、そのような間違ったホロスコープを出力してしまうのでしょうか。
「ホロスコープ作成ソフト」のプログラマーが、本来の正しいホロスコープを知らないからだとは思えません。
もしそうだったら、占星術やホロスコープにかかわる資格がありません。
知らないからではなく、出生時間に応じて正しいホロスコープになるようにプログラムを組むのは難しいからだと考えています。
でも、不可能ではありません。
実際、ハウスシステムを用いながら「ハウスホイール」での出力ができる「ホロスコープ作成ソフト」があるからです。
ハウスホイールというのは、各ハウス(室)を30度ずつに均等に配したものです。
そうすると、今度は12サイン(宮)のほうが狭くなったり、広くなったりして表示されます。
12サイン(宮)というのは、「春分点」を牡羊宮0度として、黄道を30度ずつ均等に区分したものです。
「ホロスコープ作成ソフト」は、デフォルトの場合、だいたいはそのように各サイン(宮)のほうを30度ずつに出力するようになっています。
ですが、地上の出生地など占星地から空の黄道また黄道帯をみた場合、楕円状に歪んで、上下左右に飛び跳ねるように動きながら移動していきますので、12サイン(宮)が30度ずつ均等に見えることはありません。
出生時間による黄道の状態によって、12サイン(宮)のほうが狭まったり、広まったりして見えるのです。
それで正解です。
なので、正しい本来のホロスコープは、12ハウス(室)のほうが正確に30度ずつ均等で、12サイン(宮)のほうが、幅が異なっているのが通常なのです。
ハウスホイールのホロスコープがそれです。
◆One-Point 「ホロスコープ・マスター奥義講座」では詳しく正解をお伝えしていますが、ここでは省略させて頂きます。プログラマーは、若いかたも多いので、もしかしたら本当の正しいホロスコープを知らないのかもしてませんし、プログラミングが面倒だったり、誤まった慣習に沿わないのかもしれません。
狭在サイン(宮)の意味
具体的に一例を挙げてみましょう。
少々ホロスコープに詳しくないと、ご理解ができないかもしれません。
「狭在サイン(宮)」というものがあります。
一つのハウス(室)のなかに、あるサイン(宮)が、すっぽりと収まってしまう文字どおり狭められたサイン(宮)のことです。
ところが、「ホロスコープ作成ソフト」で出力した通常のホロスコープではそうなりません。見えないのです。
逆に、狭在サイン(宮)のあるハウス(室)の幅は広くなります。
意味がお分かりでしょうか。
プロというか、本来のホロスコープをご存じならお分かりでしょう。
本来は、幅が狭まったり、逆に広まったりするのではなく、12ハウス(室)はそれぞれ30度ずつに表示されるホロスコープが正しいのです。
ということは、本来は30度に表示されるべきなのに、広く表示されたハウス(室)の中にすっぽりと納まったサイン(宮)は、地上からの見た目では、30度の幅では見えず、狭く見えるということです。
空の黄道上においては、均等に30度ずつに設定されたサイン(宮)ですが、地上のからは。黄道が楕円状に歪んでみえることが多いために、均等に30度ずつに見えることはなく、逆に30度ずつ正確に区分された本来のハウス(室)からみると、狭まって見えることが出生時間によっては起こるというお話です。
それゆえ「狭在サイン(宮)」と呼ばれます。
ややこしいですよね。
すなわち、当該ハウス(室)と次のハウス(室)という2つのハウス(室)の境界線の間、つまり一つのハウス(室)のなかにすっぽりと挟まって存在するサイン(宮)なので「狭在サイン(宮)」になります。
繰り返しますと、「ホロスコープ作成ソフト」で通常どおりデフォルトで出力された一般的だと思われているホロスコープは、狭在サイン(宮)であっても狭まったり、広まったりすることなく、常に均等に30度の幅で表示さ狭在サイン(宮)が位置するハウス(室)は、幅広く表示されるということが起こります。
それは間違ったホロスコープです。
◆One-Point ホロスコープの作成自体は、本来の科学すなわち天文学の知識と高等な数学が必要でした。ところが「ホロスコープ作成ソフト」が登場することで、科学的な知識や数学計算を必要とすることなく、神秘的な占いのみでの参入が可能になったことが一部で混乱をもたらしました。
正しいホロスコープを読む
ところが、誰も「ホロスコープ作成ソフト」がおかしいということは指摘しません。
お使いのソフトによっては、「ハウスホイール」で表示出力できる機能があって、ちゃんと、それを選択して出力すれば済みます。
いちいち指摘することでもないからでしょう。
でも、知らない初学者やマニアのかたは多いのです。
占星術を教えているかたのなかにもいらっしゃるようです。
ホロスコープの基本なのですが、ビックリします。
気になるかたはご自身でも研究解明されてみられてください。
ここで書いている内容は、プロ中のプロであれば誰でも分かります。
逆に、知らないプロはもぐりかもしれません。
ここで、本当のことをお教えいたします。
過ったホロスコープで占断や解釈をし続けていると、ご自分でも気づかないうちに、解釈ご判断が微妙に間違っていきます。
正しい解釈をするのであれば、正しいホロスコープをリーディングしなければ、気づかないうちに少しずつズレていくのです。
少なくとも、星偏重や、サイン(宮)偏重の解釈になっていきます。
本来のホロスコープは、星とサイン(宮)だけが特別ではなく、ハウス(室)やアスペクト(座相、位相)も同等以上に重要な象意を持ちます。
せめて、同じように重要視をされて解釈しなければ、正しい星読みや占断やリーディングになりません。
ときに偏向した解釈になります。
「ホロスコープ作成ソフト」は便利なので、用いざるをえません。
ですが、本来のホロスコープとは異なって出力されます。
ご自分の意識だけでも修正しておかないと、ずーっとサイン(宮)偏重の解釈を一生涯し続けることになりかねません。
少々、専門的ですが重要なのでお話しておきました。
◆One-Point そうなるともはや本来のホロスコープでない以上、占星術ともいえなくなりますし、もともとアストロロジーといった理論もない占星術です。このままだと「ホロスコープ作成ソフト」がホロスコープ占いとなった占星術に引導を渡す結果になるかもしれません。